不動産の購入や売却を検討していると、「訳アリ物件」という言葉を見かけることがあります。一般的に「訳アリ」と聞くと、ネガティブな印象を持たれる方が多いかもしれません。しかし、その中身をよく知れば、リスクと向き合いながらもお得な取引ができる可能性もあります。
この記事では、訳アリ物件の定義や種類、注意点などを詳しく解説します。
訳アリ物件とは?どんな物件を指すのか
「訳アリ物件」とは、通常の市場に出回っている物件よりも価格が安く設定されている代わりに、法的・物理的・心理的に何らかの問題や制限がある不動産を指します。つまり、「訳があって安い」ことが由来です。
訳アリ物件の売却を検討している方は、こちらの記事もご覧ください。
主な訳アリ物件の種類
訳アリ物件にはいくつかの種類があります。以下が代表的なものです。
- 事故物件(心理的瑕疵)
- 再建築不可物件
- 借地権付き物件
- 境界未確定・越境ありの物件
- 未登記建物
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近隣トラブルのある物件
1. 事故物件(心理的瑕疵)
過去に自殺・事件・孤独死などがあった物件です。法的に告知義務があるため、買い手や借り手に対して説明しなければなりません。
2. 再建築不可物件
建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしていないため、新たな建物を建てられない土地です。
再建築不可物件の詳しい活用法はこちら
3. 借地権付き物件
建物は所有していても、土地は他人のものであり、定期的に地代を支払う必要がある物件です。
4. 境界未確定・越境ありの物件
隣地との境界があいまいだったり、建物や塀などが越境している物件です。将来、トラブルになる可能性があります。
5. 未登記建物
登記簿上に存在しない建物がある物件で、住宅ローンの利用が難しくなることがあります。
6. 近隣トラブルのある物件
騒音やゴミ出し、反社会的勢力の関与などがある地域にある物件も、敬遠されがちです。
訳アリ物件のメリット・デメリット
◎ メリット
- 価格が安い:立地や広さの割に価格が抑えられていることが多い。
- 投資対象になりやすい:リフォームして賃貸や再販売を狙う不動産投資にも利用される。
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競争が少ない:一般的な購入者が敬遠するため、希望の物件に出会える可能性も。
△ デメリット
- 心理的な不安:特に事故物件などは精神的抵抗感が残ることも。
- 再販が難しい:買い手を選ぶため、将来的な売却が困難になる可能性がある。
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ローンが通りにくい:金融機関によっては担保価値を認めず、融資が難しいケースも。
注意点と購入前にすべきこと
訳アリ物件を購入する際は、以下の点に注意しましょう。
- 事前調査の徹底:登記簿や都市計画図面、過去の履歴などを確認し、問題点を洗い出す。
- 第三者の意見を聞く:不動産に詳しい専門家や、訳アリ物件を扱った経験のある不動産会社に相談する。
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心理的瑕疵の有無を確認:事故物件かどうか、過去の出来事についてしっかり確認しておく。
まとめ|「訳アリ」を理解すれば怖くない
訳アリ物件は、確かに一般の物件と比べて注意すべき点が多いですが、情報を正しく理解し、リスクに備えれば有利な買い物ができる場合もあります。
「安く購入してリフォームして住む」「投資目的で購入する」「売却前に知識を付ける」といった目的がある方は、訳アリ物件の特徴を理解したうえで、慎重に判断していくことが大切です。
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