不動産の売却は、多くの人にとって人生で数回あるかないかの大きな出来事です。そのため、手続きの流れや注意点を理解しておくことが、トラブルの防止やスムーズな売却につながります。本記事では、不動産売却の基本的な手続きの流れと、事前に知っておくべき重要なポイントについて詳しく解説します。
不動産売却の基本的な流れ
- 売却準備・情報収集
売却を決めたら、まずは相場や市況の情報を集めることから始めましょう。不動産ポータルサイトで類似物件の価格を確認し、自分の物件の立地や築年数、広さなどと比較することで、ある程度の目安がつきます。 - 不動産会社への査定依頼
次に、不動産会社に査定を依頼します。複数の会社に見積もりを依頼(無料査定)することで、価格の相場感や信頼できる業者を見極められます。机上査定と訪問査定の両方を受けるのが理想です。 - 媒介契約の締結
査定額や担当者との相性を確認したうえで、売却を依頼する不動産会社を決定し、「媒介契約」を締結します。契約には3つの種類(専属専任・専任・一般)があり、それぞれ情報公開の範囲や報告義務に違いがあります。 - 販売活動の開始
不動産会社による販売活動が始まります。ポータルサイトやチラシ、オープンハウスなど、物件の特性に合った販売戦略を展開します。見学者が現れたら、内覧対応なども必要になります。 - 買主との売買契約の締結
購入希望者が現れたら、売買条件(価格、引き渡し時期、瑕疵担保責任など)を交渉し、合意に達したら売買契約を締結します。この際には、重要事項説明書の確認や契約書への署名捺印が必要です。 - 引き渡し・決済
売買契約が成立した後、代金の受け取りとともに物件の引き渡しを行います。登記手続きや、抵当権の抹消など、司法書士を介して行う手続きもこのタイミングで進めます。
売却時に注意したいポイント
- 書類の準備は早めに
- 税金や費用の確認
- 瑕疵担保責任の有無
- 住宅ローンが残っている場合
- 複数社との比較検討
- 内覧対応の準備
書類の準備は早めに
登記簿謄本、身分証明書、固定資産税納付書、建築確認済証などが必要です。紛失している場合は、事前に再発行しておきましょう。
税金や費用の確認
譲渡所得税や住民税のほか、仲介手数料や登記費用、測量費などの諸費用が発生します。売却益がある場合は確定申告も必要です。
瑕疵担保責任の有無
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)をどう扱うかはトラブル回避の鍵になります。古い物件や訳アリ物件の場合は免責にする交渉も可能です。
住宅ローンが残っている場合
残債を一括返済しなければ売却できません。売却価格が残債を下回ると「任意売却」の検討が必要になります。
複数社との比較検討
不動産会社によって提案される販売戦略や査定額には差があります。複数社と比較し、自分の希望や状況に合った信頼できる会社を選びましょう。
内覧対応の準備
購入希望者に好印象を持ってもらうためには、物件内を清潔に保ち、家具や荷物の整理も行いましょう。小さな補修やメンテナンスも、売却価格に影響を与える可能性があります。
まとめ
不動産売却をスムーズに行うためには、事前準備と正しい手順が不可欠です。また、不動産会社選びや契約時の条件設定は、売却価格や売却後のトラブル回避に大きく影響します。初めての売却で不安がある方は、複数の会社に相談し、自分に合ったサポート体制を整えることが大切です。
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