不動産を売却するとまとまった資金が手に入りますが、同時に「税金」が発生する点を忘れてはいけません。売却価格そのものがすべて手元に残るわけではなく、課税対象となる利益がある場合には所得税や住民税がかかります。また、申告を怠るとペナルティを受けるリスクもあるため、正しい知識を持って準備しておくことが重要です。本記事では、不動産売却にかかる代表的な税金と注意点をわかりやすく解説します。
1. 不動産売却でかかる税金の種類
- 譲渡所得税
- 住民税
-
復興特別所得税
譲渡所得税
不動産を売却した際の「売却益」に課税される税金です。
- 計算式：売却価格 −（取得費＋譲渡費用）＝譲渡所得
-
これに所得税・住民税がかかります。
住民税
譲渡所得に応じて翌年度の住民税に加算されます。
復興特別所得税
所得税額に対して2.1％が加算されます。
2. 所有期間による税率の違い
不動産の所有期間によって課税率が変わります。
- 短期譲渡所得（5年以下）：所得税30％＋住民税9％
-
長期譲渡所得（5年超）：所得税15％＋住民税5％
長期保有の方が税率が低くなるため、売却時期を工夫することで税負担を軽減できます。
3. 特例や控除を活用する
- 3,000万円特別控除
- 買い替え特例
- 相続税の取得費加算
3,000万円特別控除
居住用の不動産を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。
買い替え特例
新しい住宅に買い替える場合は、課税の繰り延べが認められるケースがあります。
相続税の取得費加算
相続した不動産を売却する場合、相続税額の一部を取得費に加算でき、課税対象額を減らせます。
4. 税金以外で注意すべき費用
不動産売却には税金だけでなく、以下の費用も発生します。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 引っ越し費用
-
必要に応じた修繕費や解体費用
売却益を計算する際には、これらのコストも考慮に入れておきましょう。
5. 確定申告の重要性
不動産を売却した年は、原則として翌年に確定申告を行う必要があります。申告を怠ると追徴課税や延滞税が課される可能性があります。控除や特例を活用するためにも、必ず正しい申告を行いましょう。
まとめ
不動産売却では「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」がかかり、所有期間や条件によって税率や控除が変わります。税金の知識を持たずに売却を進めると、手取りが予想以上に少なくなることもあります。売却前に税理士や専門家へ相談し、最適なタイミングと方法を選ぶことが成功のポイントです。
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